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ナイフ・エンジェル

刃物を使った犯罪がイギリスで横行していたとき、鉄工芸センターが一策を講じました。警察と連携して200個の収集箱を全国に設置し、そこに刃物を投棄した人に関しては、罪を問わないことにしたのです。約10万本が匿名で投棄され、中には血の付いたものもありました。それらをアーティストのアルフィ・ブラッドレーに送ると、彼は刃を丸くし、犯罪の犠牲者たちの名前と加害者の後悔の言葉を刻んで溶接し、「ナイフ・エンジェル」という高さ約8メートルの天使像を作りました。

再会

男の子は兵士の父親から届いた大きな箱を勇んで開けました。仕事柄、彼の誕生日には戻れないでしょう。箱の中にはラッピングされた別の箱があり、次もまた箱。その中には「あ!」と書いた紙が入っていました。戸惑って顔を上げると、部屋に父が入って来ました。子どもは涙目で駆け出し「パパ、会いたかった。大好き!」と叫んで、彼の腕に飛び込みました。

目的とゴール

冒険家コリン・オブレイディは2018年、世界初の単独、無支援の南極大陸横断に成功しました。スキーをはき、荷物を積んだそりを引いて54日間で約1,500キロを踏破しました。途方もない勇気と献身の旅です。

誰が勝つか分かっている

私の上司は、ある大学のバスケットボールチームの大ファンです。その大学が全米選手権で優勝したので、部下のひとりがお祝いの メッセージを送りました。ところが、上司は決勝戦のビデオをまだ見ていなかったので、結果が分かってか、拍子抜けだと言いました。しかし、スコアが拮抗しても安心して見ていられるとも言いました。どちらが勝つか分かっていたからです。

素晴らしい地

エリス島を通過したアメリカ移民の第一号アニー・ムーアは、人生の再出発に興奮していたに違いありません。1892年のことです。その後、何百万人もの人々が、その地を通過しました。アニーは10代でしたが、アイルランドの困難な生活を捨て、手には小さなカバン、胸には夢と希望、チャンスの国に対する期待を携えて、新天地にやって来たのです。

何とはかない

幼なじみを交通事故で突然失って、死の現実と人生のはかなさを突きつけられました。彼女は問題ある家庭で育ち、最近ようやく立ち直ってきたところでした。24歳でイエスを信じたばかり。こんなに早く人生の終わりが来るなんて、どういうことでしょう。

鮮やかな光の中で

伯母のセレナが10歳の誕生日にくれた眼鏡をかけるや、ザビエル・マクーリーは泣き出しました。彼は生まれつきの色覚異常で、灰色の世界しか知りません。色覚補正眼鏡のおかげで、初めて色を見たのです。彼の感激を目の当たりにした家族は、奇跡が起きたように感じました。

砂漠で花を咲かせる

モハーヴェ砂漠は、砂丘や乾燥した渓谷、砂漠の台地や山々が連なります。しかし、アメリカの生物学者エドムンド・イエガーは、数年毎の大雨で、この砂地が野の草花で覆い尽くされることを発見しました。花の絨毯は毎年見られる現象ではありません。ちょうどよいときに大嵐が来て、乾燥した大地がたっぷりと水分を吸収し、太陽の熱で温められると、砂漠が鮮やかな色に染まるのです。

祝福されるから

友人と彼女の孫たちと散歩に出ました。友人はベビーカーを押しながら、腕を振れないからスマートウォッチの歩数が増えないとぼやきました。「でも、この散歩は無駄ではないでしょ」と言うと、「ええ。でも、あの金星が欲しいのよ」と笑いました。気持ちは分ります。頑張っても結果が出ないと、がっかりします。しかし、結果はすぐ出るとは限らず、目に見えないかもしれません。